修了生インタビュー

話せないのは、英語力のせいじゃなかった

<受講者プロフィール>
ポプリさん(ニックネーム) 2019年の春に、体験セッションを受けたあとKECのプログラム受講を決める。週1回のオンラインセッションと、「会話する」「聞く」「書き起こす」などの流れを体験。受講者みずからが考えて行う「インディペンデント・スタディ」では日本文化の発信をテーマに選択。
インタビュー・文:サトウカエデ

「英語の壺の、うわずみをすくってますね」

ーー まずは、KECとの出会いから聞かせてください。どこで、英会話学習コーチングに興味をもったのですか?

出会いは、知人の紹介ですね。これまで、独学だと英語学習が続かないのが悩みでした。せっかく参考書を買っても、5日で挫折してやらなくなってしまったり……誰かのサポートが必要かなと感じていました。

KECのプログラムに魅かれたのは、英語力を伸ばすだけではない、という点です。会話のクセやその人の弱点、強みを明らかにして、それぞれに合った学習方法を確立してくれる部分が、いいなと思いました。3か月という短期間なのもよかったです。

ーー これまでも、英語は勉強していたのですか?

幼稚園のころから英会話を習ってました。中学生になって文法の授業がはじまり、英会話とのギャップを感じてしまって。そこからは、受験勉強のためという意識が強く、「英語が得意」と思ったことはなかったです。

いまは外資系の会社で働いているので、機会はそれほど多くありませんが、海外からの来客対応やメール返信で英語を使います。

ーー 体験セッションを受けてみて、いかがでしたか?

10分弱の英会話のあと、コーチのえみさんからフィードバックをもらいました。まず、「発音がすごくいいですね」と褒めてもらえたのが嬉しかったです。

それから、私の語彙力を「英語の壺があって、うわずみをすくってしゃべっているような感じ」と表現されました。決まった単語で会話していたので、確かにその通りだなと感じました。

英語を話すことに、「恥ずかしさ」みたいなものがあって。自分の頭のなかにあることをきちんと英語で表現して、もっと相手と密なコミュニケーションをとれるようになりたい。それが、受講当初の目標でしたね。

話せない原因は、英語力ではなかった

ーー テキストがないのがプログラムの特徴ですが、セッションがどんな風に進んだか、説明していただけますか?

週に1回のセッションはすべてオンライン。24時間いつでも指定できるので、私は時間を有効活用できる土曜日の朝、9時頃にお願いしていました。

それ以外は、「Wiki」というプラットフォームを使って、セッションの振り返りや課題について、コーチからフィードバックをもらいます。

毎回のセッションで共通していたのは、冒頭で「今週あったこと」をテーマに英語で世間話をすることですね。

最初は言いたいことが文章にならなくて、Yes やNoで答えたり、思い浮かんだ単語を並べるだけでした。えみさんからは、調べながら文章にしてしゃべってみましょうと、途中で日本語で説明を挟み英語に戻るなどサポートしてもらいました。

ーー 教材にした「録音する会話」では、どんな話をされましたか?

紹介して頂いたネイティブスピーカーの方と、オンラインで15分くらいの会話をして録音しました。それを聞いて気づいたことを書きだし、最後にスクリプトを書くという流れでした。会話自体は、住んでいる場所や趣味のことなど世間話です。

ーー 自分の英会話を聞くって緊張しますよね。録音を聞いてどうでしたか?

想像よりは、ひどくなかったです。(笑)

でも、文章になっておらず、単語をつなげている部分がたくさんありました。意味は通じるから、会話自体は成立しているけれど、それ以上ではないというか……。私はちゃんと文章で話したい気持ちがあったので、真剣になんとかしなければとやる気になりました。

ーー その次のステップ、会話の「書き起こし」はいかがでしたか?

3、4時間かけて、15分の会話を書き起こしました。書いてみて、ネイティブの方は語順も文法もきちんとしているんだと改めて実感しました。また、聞き取れたらより会話が広がりそうなところもありました。

「会話する」「聞く」「書き起こす」の一連の流れでは、コーチのえみさんからフィードバックをもらいながら分析していきます。語彙力や文法といった英語力については、次のステップ「レッスン」でカバーします。

言語コーチングの部分で印象的だったのは、「人とのコミュニケーションを観察してください」と言われたことです。

ーー 観察する……?

英会話に限らず、日ごろの会話の場で、相手と自分のどちらが話す主導権を握っているのかを見てくださいと。そうすると、友人との会話では話す機会が多い一方で、会社では聞き手に回っている自分に気がつきました。

ーー 仕事では、積極的に発言するタイプではなかったということですか?

そうなんです。それは、英語でも日本語でも変わりませんでした。つまり、私が抱いていた「英語でしゃべれない」という苦手意識の理由が、観察することで「英語だけではない」と気づけたんです。

もともと、性格的に聞き手のタイプ。話せないのは、どちらかといえばコミュニケーションの姿勢が問題でした。それがわかったとき、英会話へのハードルが下がったと感じて、「間違えてもいいや」と思えるようになりましたね。

好きな「水引」で学び、英語アレルギーが消える

ーー 受講者が学習内容を決める「インディペンデント・スタディ」では日本文化をテーマにされたんですよね。具体的に、何について取り組みましたか?

「水引」について紹介する文章を書きました。

ーー 水引って、ご祝儀袋についている飾りですよね?

そうです。水引は、ただの飾り紐ではなく置物やアクセサリーとしても使われているんです。

水引をテーマに選んだのは、海外の方むけに水引を作る教室を開いたり、作品を販売するウェブサイトを作ったりしたいという思いがあったからです。手芸が好きなんですよ。

英語が堪能な同僚が、観光客の方に日本文化を紹介する教室を開こうとしていて、その話を聞いたときにひらめきました。英語と私自身のやりたいこと、その両方がつながったのが水引でした。

ーー なるほど、「英語を使ってなにかをする」点に興味があわさってモチベーションが向上したんですね。

ウェブサイトで作品を販売するイメージで、水引そのものを紹介するページの文章を作成しました。日本語で伝えたいことを先に書き、それを英訳する流れです。

理想に近いウェブサイトを参考に、構成や章立てを決めて、日本語から英語に。英訳だけで4、5日かかりました。

ーー けっこう大変そうですね。

そうですね。長い日本語の文章を英訳しようとすると、単語への修飾や区切りをどうしていいかわからず、苦労しました。

そんなとき、えみさんから関連するテーマの英文を日本語訳してみたら? と提案されました。そこで、折り紙についての記事を和訳しました。真似できる言い回しや単語のバリエーションが増え、英語の文章を書くのがスムーズになりました。

それから、細かな表現に触れて、前よりも伝えたいことを自然な形で英訳できるようになったと感じます。それに、積極的に読む力もつきました。単語が難しかったり、一文が長かったりするレベルの高い文章に出会っても、辞書を引きながら文章の構造を見抜けるようになったと思います。

ーー 最終的に、会話への苦手意識はどう変化しましたか?

言いたいことを文章でまとめられるようになって、英語を話すためらいが消えました。

ある日、えみさんから「人前で話すとき、見られていると強く意識してますね」とフィードバックをもらったんです。それを聞いて、「たしかにそうだな」と。

意識はしてなかったけど、話すことに身構えていたんですね。会話だけでなく、英文メールを送るときも「間違えたらどうしよう」と何回も見直してました。

英語力はもちろん大切ですが、話すには自信も必要だなと思います。いまは自信をつけるために、語彙力を強化することはもちろん、会社で発言するときも、根拠をはっきりさせて話せるように心がけています。

いつか、人の役に立つコーチングを英語で学びたい

ーー 受講を終えてみて、自分に合った英語学習法は見つかりましたか?

和訳する楽しさに目覚めました。英語の意味に合わせて日本語を選ぶという点に、面白さを感じます。和訳が英語を勉強するスイッチになっています。

ーー 英語の今後の目標は?

英語でしゃべる機会を積極的に増やしていきたいですね。

あとは、いまコーチング自体にも興味を持っています。内面を分析して自分の課題を見つけ、目標にむけて成長できるプロセスを体験して、自分でも学んでみたいと思うようになりました。

KECでは、受講修了生に対して1年後以降に「修了生サポート」を実施しています。なんでも相談できるので、コーチングの本場アメリカで学ぶのに必要なスキルについて聞いてみたいですね。

ーー 素敵ですね。最後に、英語を学ぶ人へメッセージをお願いします。

このプログラムでは、英語力以外の部分が英語の苦手意識と関係していると、気づきを得られたのがよかったです。

おなじように苦手と思っている方も、コーチングを通じてスキルを客観視してもらったり、内面を分析したりすることで、英語への抵抗感がうすれるかもしれません。その点で、コーチングはすごく意味のあるものだと思います。

(2019年8月6日取材)